さかたのみかん

さかたのみかん

みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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久しぶりのブログです


今月は父が亡くなったことにより、液肥の製造、みかんの管理、相続の話、会社の登記のことと、毎日が目まぐるしいです


この1年くらいは、全てをほぼ1人でやっていましたが、1人で抜けることがこんなに大きいのかと痛感しています


さて、タイトルの「早めの防除」ですが、新規就農者や就農間もない方には参考になるかと思いまして、書こうと思います


昨日、日本の広い範囲が早くも梅雨入りしました


今は、みかんでは黒点病の1回目の防除の時期ですね


うちは5月27日(土)の雨前にどうにか終わったので、安心してますが、なかにはまだ大丈夫だろうという油断から終わってない方もいます


ここで重要なのは、油断なのか、分かっちゃいるけど他の作業が詰まってて仕方なくなのかの違いです


農業は毎年天気が違うために、若干の作業の調整はしなくてはいけませんが、毎年同じような時期にやることは変わりません


後者のように「仕方なく」という方は、今月前半の花の防除時に、黒点病にも効果のある殺菌剤を使用してることも多いと思われます


うちも、就農当初は2回目以降に余裕を持たせるために、1回目を6月初旬となるべく遅くしてました


散布技術が安定するにつれて、黒点病も入らなくなりましたが、そこからレベルが上がらないんです


最後の選択肢として、一番基準が厳しい農協出荷基準を採用して、5月下旬に散布するようにしました


そこからは黒点病に困ることもなく、綺麗なみかんができていますが、「防除」という言葉の大切さを学びました


「防除」だからこそ、先手必勝


病害虫が入ってからでは、間に合わないとは一概に言えませんが、やはり遅いですね


みかん専門とみかん以外の作物との複合経営で、考え方は変わりますが、4回も黒点病が入るタイミングがあるということは、どこの時期を固定したいのか、それをまず決めなくてはいけないと思います


前述もしたように、うちは1回目を固定しています


防除は暑い中、合羽やマスクをしなければならないので、農家でもかなり苦痛な作業の1つです


無駄な防除はしませんし、散布のタイミングが非常に重要な作業です


裏を返せば、そのタイミング1つでプラスにもマイナスにも働きます


梅雨入りが遅くて、1回分散布しなくても良かったみたいなことはあるでしょうが、そんなコストくらい秀品率が上がることによる利益に比べればたかが知れてます


転ばぬ先の杖という言葉もありますが、やはり作業は先手を打ちたいものですと、自戒を込めて

先日も書きましたが、今年のみかんの全国的な生産量の大幅減は、去年の9月から冬までずっと過乾燥が続いたことで根が傷んだことが原因だと思われます。

 

翻って現在はどうかと言えば、雨が降るものの、その降雨量が足りてるのかどうか?が非常に気になってます。

 

もちろん潅水できればそれがベストなのですが、水源の無い産地では雨頼りなのも事実です。

 

今日(12月17日)は降雨量自体は少ないですが、一日中曇りで降ったり止んだりを繰り返してます。

 

これって、点滴潅水みたいに少しずつ地中に浸み込んでいくんじゃないですかね

 

熊本のみかん農家さんのはなしですが、去年の11月頃に1か月後収穫するみかんのために殺菌剤を散布したそうです。

その際に時間も余り、せっかくだからと一部の畑に潅水したそうです。

今年はその潅水した畑だけはしっかりと量がなってるそうで、やはり水の大切さを感じたと言われていました。

 

その程度の潅水でも効果があったわけですから、今日ほどの雨でも来年の花のために好影響を与えるのでは?と希望的観測を持ち始めました。

 

一例として教えてもらったのが、中晩柑の不知火(デコポン)ですが、去年は過乾燥により横割れがひどかったそうです。

それが今年はほぼ発生していないのは、雨により水分の供給が行われているからであり、去年の乾燥とは違うことが起きていることも来年への希望が持てます。

 

自分の栽培のことも考えました。

切り上げ剪定と葉面散布を柱にみかん栽培を考えていますが、今年の収穫開始頃には切り上げ剪定が失敗だったか?とも考えました。

剪定により切りすぎて枝葉を落として過ぎてる可能性は否定できませんが、もしそうならばやらなければいけなかったのは潅水ではなかったかと思われます。

 

逆に水源がなく潤沢に潅水できない産地では剪定で切りすぎることが致命的なことが起こることも分かりました。

 

剪定において、切りすぎだけは絶対に駄目だともちろん教えてもらってました。

切りすぎたからと言って枝をつけられる訳ではないからとよく言われますが、水の点から考えれば吸い上げた水を貯めておくだけのタンク(葉)が必要以上に減ってしまうことで、乾燥した際に樹内の水分がなくなりすぎているということでしょうね。

 

切り上げ剪定の失敗かとも思いましたが、水を供給できていなかったことが原因だと思われます。

 

いろんな作物で有機栽培?をされてる農家さんも水の重要性はよく言われます。

 

若手の慣行栽培農家さんは同じように水の重要性を言われ始めていますが、高齢の農家さんがそれを説かないのは、肥料により見かけの樹勢は良く見えますから、それよる勘違いなどが起こっているのではないかと思います。

 

そういうわけで、先月まで心配していた「来年もみかんがならないんじゃないか?」ということは回避されるのではないかとちょっと安心しています。

 

しっかし、雨に頼らなければいけない状況ってかなりのギャンブルですね。

 

そういう状況を打開するための方法もいろんな方に教えてもらいましたが、まずは投資するためのお金だ。

ブログにしっかりと書くのは本当に久しぶりです。

 

自分自身が忘れないために書いておこうと思います。

 

みかん農家の方なら実感されてると思いますが、地域による多少の差はありますが令和4年産のみかんは収穫量が激減しています。

 

これは花の時期にすでに分かっていたことで、私もいくつかの対策を打ちましたが、十分な量の確保までには至りませんでした。

これを対策してなかったらと思うと、ゾッとします。

その対策に加えて、我が家は晩生の青島が偶然にも初なりの年なので、最悪の結果は免れるのではないかと思っています。

 

様々な農家さんの話を総合すると、これに至った原因は秋から冬にかけての過度な乾燥にあったと思われます。

 

秋からの適度な乾燥は翌年の花を促進するのに有効ですが、それが酷すぎました。

ツイッターなどのSNSではそれを警鐘する農家さんもいましたが、完全に油断していました。

 

植物ホルモンの点から見ても、乾燥により根が傷んで春に必要なサイトカイニンの量が減ってしまって、花芽促進が促されなかったということになりそうです。

 

うちの産地には水源と言えるものがなく、普段の防除に使う水は雨水を貯めているために「水がない」というのが、自分の免罪符になってしまっていました。

 

野菜農家さんとの話の中でこの話題を出したら、「野菜農家からすると、過乾燥で花が飛ぶのは当たり前ですよ」って言われました。

 

それだけみかん栽培に水が重要となると、どうにか潅水ができる手はずを考える必要がありますが、様々なみかん農家さんのSNSを拝見していると、点滴潅水を敷設されてる方が徐々に増えてきています。

点滴なら、大量な水量も必要なく雨水で対応できそうというお話でした。

 

これをすでに2年前くらいから対応されてるのですから、自分の見識と観察力の低さを痛感しています。

 

果樹産地は、水がない産地が多いと思います。

水がないために米が作れない。山中で平らな畑が少ないために野菜も作れないから果樹が植わってる産地が多いですよね。

だからこそ、あまり水を必要としない作物が作られているはずです。

それも影響してると思いますが、農家さんの思考の中にも水を与えることがあまりないように思います。

 

潅水と言えば、夏場の干ばつ時。

高齢化や作業の大変さにより、それもやらない農家さんがほとんどになりました。

 

なのに、秋に潅水するという方は相当に見識が高い方だけではないでしょうか。

 

あまり考えすぎると、「もう九州でみかん栽培は無理な時代になったんじゃないか」と沼ってしまいますが、去年みかんがなっていなかった木は、今年は表年になっていますので、そのサイクルはまだ保たれているようです。

 

露地栽培はハウス栽培以上に天気に左右されますが、考えすぎても沼にはまるばかりなので、まずは自分ができることから始めていきます。